導入事例

2枚の写真から採寸と体組成データが測定できる!驚きのAIアプリ「Bodygram」とは?

AI Start Lab 編集部 2021.9.16
スマホで服を着たまま、正面と側面の2枚の写真を撮影するだけで、全身24カ所の採寸、さらには体脂肪率や筋肉量まで測定できてしまうという、魔法のようなアプリが話題を呼んでいる。

この採寸アプリ「Bodygram(ボディグラム)」は、AI(人工知能)により、身体サイズを推定する。服の上からでも被写体のボディラインを自動で検出し、腹囲・肩幅・手足の長さなど全身24カ所の推定採寸を可能にしている。

それだけでも驚きだが、新機能として体脂肪率、骨格筋量という体組成データも計測可能となったという。この画期的なアプリの秘密、そして今後目指すものについて、ボディグラム・ジャパン株式会社COOのRei Aiba氏にお話を伺った。

お話を伺ったRei Aiba氏

オーダーメイドシャツの課題から生まれたサービス


Bodygramはカスタムメイドのスーツやシャツを作るサービス「Original Stitch(オリジナルスティッチ)」セルフ採寸アシスト機能としてスタートした。

「当時はユーザーの方々に、家でシャツのサイズをご自身で測っていただいていたんですが、首回りなどの自分で測ることが難しい部分もあり、最終的に送られたサイズが合わないという問題が発生してしまいました。そのエラーをどうにかなくしたいという思いでたどり着いたのが、AIでした。人間が測るよりも精度の高いものをつくろうということでスタートしました」(Rei Aiba氏、以下同)

誰でも簡単に、直感的に使えてなおかつ精度も求められるというソリューションにおいて、AIの活用は不可欠だった。従来の統計学にもとづいた方法などでは、一人ひとり違う体型に対して対応することは難しく、ユーザーにベストな体験を届けることができない。いっぽうでAIは学習させることで精度を向上させることができる。

「ユーザーそれぞれにベストな経験をしてもらい価値を高めていくためにも、AIが最適なものだと思っています」

大量の学習データを集め正確性を担保


精度の高いAIをつくる上で必要になるのが、やはり大量の学習データだ。この点にも同社は力を注いでいる。

「データがないとAIの学習もできないので、それは優先事項として、会社にはデータコレクションを専門とするチームをつくっています。いま私たちは約12万体のデータセットを保有しています。データセットは日々取り続けていますので、どんどんAIの精度も向上しており、現時点では採寸の平均の誤差がおそらく1.5センチ前後というところまでたどり着いています」

こうした学習データの量だけでなく、独自のアルゴリズムは複数の特許技術に支えられている。ただ、Bodygramが重視しているのは、この精度の部分だけではない。もうひとつがユーザビリティーだ。実は精度以上に難しいのは、このユーザビリティーの部分。UIがどれだけ使いやすいか、写真を2枚撮る上でわかりやすい指示かどうかというところは、試行錯誤を重ねてきたという。また、ユーザーの体のデータを扱うという特性から、セキュリティー面にも気を使っている。ユーザー自身が写真や体のデータのオーナーシップを持っているということを明確にしているのだ。

とてもわかりやすいUIが特徴のBodygramアプリ

使いやすく精度も高い採寸アプリとしてBodygramは、アパレル業界を中心に広がりを見せている。紳士服の「はるやま」の一部店舗では、店頭でスタッフが来店客を撮影してサイズ計測をするサービスとして導入された。

「コロナ禍において、お客さまの健康を守るための非接触のサービスという面はもちろんあるのですが、お客さまに店舗での新しい、楽しい体験を提供したいという思いをお持ちでしたので、それをかなえられたというところですごく満足いただいていると聞いています」

驚きのアップデート!インナーボディの計測を可能に


精度の高い身体採寸に加え、アプリの新機能として加わったのが、体脂肪率と骨格筋量の計測だ。もちろんこれも2枚の写真から結果を知ることができる。

「アプリの開発当初から、この機能の搭載はいずれしたいなという思いでデータを集めていました。パートナーの会社であったり、エンドユーザーの方々であったりのお声の中で『インボディの数値を見てみたい』という要望がどんどん高くなってきましたので、今回その開発をして搭載することに至りました」


その仕組みは、採寸と同じく、さまざまな体の測定値をもつデータセットをAIに学習させていくというもので、データの相関性から推定を行っている。「写真2枚からと聞いて、マジックみたいだと思われるのですが、それを現実にしてしまうがAIのすごく魅力的なところだと思いますし、これを信じて、私たちはアグレッシブにこの技術の研究と開発に投資を続けています」

ヘルスケア分野での活用、将来的には病気の予防を目指す


体脂肪率、骨格筋量、そして体の推定採寸を組み合わせたデータは、ヘルスケア領域での活用を見込んでいる。

「たとえばジムであれば、トラッキングの機能もありますので、トレーニングのプログラムをデータをもとにつくって行い、効果が出ている部分・出ていない部分を確認してプログラムをもっとパーソナライズすることができます。また、健康診断でよく使われる数値にBMIがありますが、Bodygramの測定値を使っていただければ、もっと深く体のインサイトを得られるというところがあるのではないかと思います」

アプリユーザーが個人でみずからの体の状態を把握するだけでなく、フィットネスや栄養管理、病院や保険会社といったヘルスケア分野で、広く活用できる可能性がありそうだ。さらに将来的には病気の予防などにも活用していきたいという。

「私たちが将来的に考えていることのひとつは、人々が潜在的に患っている可能性のある病気を特定するなどの予防策です。例えば、糖尿病やメタボリックシンドローム、無呼吸症候群など、潜在的に発症する可能性のある病気を特定し、発症を未然に防ぐことにもっと力を入れたいと思っています。

もうひとつの夢は、プラットフォームを作ることです。お客さまが自分の情報を見たときに、有益な情報を提供して、お客さまが自分の健康や幸福について十分な情報を得た上で判断できるようにしたいと考えております。日々のお買い物やオンラインショッピング、健康に関する情報源として、Bodygramをみなさんにワンストップのソリューションとして利用していただくことが理想です」

写真2枚の撮影だけという本当に簡単なアクションだけで、採寸と体組成の計測が可能なBodygram。AIを最大限活用したサービスとなっている。ユーザーとしては手軽に使え、同社のもつ大量のボディデータは、さまざまな分野に活用が可能だろう。世界で一番大きいボディデータを保有する会社になるという、同社の今後から目が離せない。


取材・文:編集部

Bodygram Japan株式会社
https://bodygram.com/ja

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WRITTEN by

AI Start Lab 編集部

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