導入事例

画像解析AIが「密」を見える化し、ユーザーに安心・安全を提供するwithコロナ時代のソリューション【NEC・イオンモール事例取材】

AI Start Lab 編集部 2021.1.14
新型コロナウイルスの感染拡大が続く今、多くの方々が「外出先で3密(密閉・密集・密接)の状況に巻き込まれないか」という不安を抱いているのではないだろうか。

そんな不安を解消し、感染拡大防止と経済活動の両立を実現できるAIソリューションがある。それが、株式会社オプティムが開発した「OPTiM AI Camera」の“withコロナソリューション”だ。その名のとおり、AIがカメラで撮影した映像を通じて現場の様子を解析し、リアルタイムの混雑状況を視覚的に伝えてくれる画像解析サービスである。

今回は、そんな「OPTiM AI Camera」が活用されたイオンモール宮崎でのイベント「みやざきスポーツ&健康フェスタ」を取材。オプティムと共同でサービス構築に取り組んだ日本電気株式会社(NEC)のみなさんや、同イベントの企画者にもお話を聞いた。

組織やイベントの規模を問わず利用しやすい
視認性とプライバシー保護を両立したwithコロナソリューション


本記事のトップ画像は、イオンモール宮崎で開催された「みやざきスポーツ&健康フェスタ」の一コマだ。会場に設置されたディスプレイを撮影したものだが、AIが“人”と判断した部分が水色のシルエットで表示され、それが多ければ多いほど混雑していると一目で判断できるようになっている。

さらに、「空いている」「やや混んでいる」「混んでいる」という3段階で混雑状況を伝えており、訪れた人はディスプレイを見ながら混雑を回避できるというものだ。


そんな「OPTiM AI Camera」の使用方法は非常に簡単。まず解析したい場所にカメラを設置し、撮影した人物の写っていない静止画を背景画像としてオプティムのクラウドにアップロードする。そこに、リアルタイムで取得した画像に対して、写っている人物だけをクラウド上のAIでシルエット化し、背景画像に合成して専用のWebサイト上に表示するという仕組みだ。

単なるリアルタイム画像であれば人の顔が映ってしまう懸念があるが、「OPTiM AI Camera」なら最初にアップロードした静止画の上に、現状の人物のシルエットを重ねて表示するだけなので、その心配は不要。まさに“視認性”と“プライバシー保護”を両立しているのだ。


会場に設置したカメラ(写真上)を通じて、AIが画像を解析。解析後の画像は1分おきに更新されるため、ほぼリアルタイムの混雑状況を知ることが可能だ。写真下が混雑状況の表示画面

さらに、解析後の画像には個別のHTMLコードも付与されるので、そのコードを自社のWebページなどに貼り付ければ、世界中に公開することも可能になる。他業種の例でいえば、病院の待合室などで使用すれば、自宅にいながら自分のパソコンやスマホで待合室の混雑状況を知ることができるため、通院のタイミングを調整しやすくなるというわけだ。

そして「OPTiM AI Camera」のメリットはそれだけではない。

従来はこのようなAIソリューションは比較的大規模な企業でしか導入されてこなかったが、機能が限られるエントリープランや、より充実したエンタープライズプランなど複数のプランを用意することで、1~2日程度のイベント開催時や、小規模な企業でも導入しやすくなっている。

また、ネットワークにつながりさえすれば既存の防犯カメラなども使用可能なので、初期投資を抑えたいユーザーにとってもコストパフォーマンスが高いといえるだろう。

ニューノーマル時代を見据えた新ソリューションを模索
シンプルかつ実績のあるオプティムのサービスが目にとまった


「OPTiM AI Camera」の“withコロナソリューション”が発売に向けて動き出したのは、新型コロナウイルス感染拡大による非常事態宣言が解除されて2ヵ月が経った2020年7月頃からだという。オプティムとともにサービスを構築したNECのパートナーソリューション事業部のみなさんにその経緯などを聞いた。

日本電気株式会社 パートナーソリューション事業部のみなさん。左から、事業部長 小方秀介さん、水野雅也さん、宮島悠さん、山田俊宏さん

同事業部のメンバーは非常事態宣言が発令されて以降、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた取り組みが“日常化”していくのを目の当たりにしたことで、New Normal時代を見据えた新たなソリューションの展開を模索し始めたのだという。

事業部長の小方さんはこう話す。

「ウイルスという目に見えないものを相手にするからこそ、経済活動が再開されても不安は常につきまといます。むしろ、人出が増えることで不安は大きくなるといっていい。そこで私たちは、ユーザーに“安全・安心”を感じていただけるソリューションが必要だと考えました。そういった経緯から複数社とお話をさせていただき、オプティムさんの画像解析技術を活用することにしたのです」

しかし、NECも独自の画像解析技術を有しているはず。それにもかかわらずオプティムのサービスを活用するに至った理由は何だったのか。
同事業部の宮島さんはこう続ける。

「自社技術へのこだわりは当然ですが、複数のAIエンジンをラインナップとして用意し、お客様の課題ニーズにあわせて適材適所で提供していく事が重要です。オプティムさんのAIソリューションはコストを抑えてスピーディーに導入できるという点が、今回のような短期イベント向けに適していると判断しました。また、上位製品では店舗マーケティングとして、来店者の属性解析(年代や性別などの解析)などのさまざまなシーンにあわせて適用できる豊富な分析テンプレートを有している点も大きかったです」

これからの店舗運営に欠かせないサービスになると期待
店舗サービスの向上に寄与できる可能性にも注目


では、ユーザー側は「OPTiM AI Camera」をどのように捉えているのか。全国で行われるイベントの企画などを担当する、イオンモール株式会社の宮嶋さんに話を聞いた。

イオンモール株式会社 営業本部マーケティング統括部エンターテインメント推進部部長 宮嶋佐知子さん。「OPTiM AI Camera」のメリットを実感したユーザーの一人だ

コロナ禍で状況が刻々と変化していく中、イオンモールとしても、イベントの規模や開催方法、会場で実施する感染対策レベルなどに苦慮する日々が続いているのだという。

「東京や大阪といった都市圏のお客様と地方のお客様では“新しい生活様式”の浸透具合が異なりますし、新型コロナの捉え方についても人それぞれなので、イベントを開催する側としては、誰もが納得する形にすることが非常に難しいです」

宮嶋さんはこのように話すが、そんな状況下で混雑の様子を見える化できる「OPTiM AI Camera」は、ニューノーマル時代の店舗運営に欠かせない存在になると感じたという。

「何よりも、ご来店いただいたお客様に“安心・安全”をご提供できるのがいいですね。また、混雑状況をご覧になったお客様の反応を我々が観察することで、“こういった状況のときはこう対応すればいいんだな”という学びにもつながる。店舗サービスの向上という意味でも、『OPTiM AI Camera』は大きな可能性をもっていると感じます」

遠くない“AI時代”の到来に向けて
「OPTiM AI Camera」をAIソリューションのトライアルモデルに


宮嶋さんのコメントは、NECのみなさんがキーワードとして挙げた“安全・安心”をユーザー側も感じられる証拠といえるだろう。では、「OPTiM AI Camera」は今後どのような展開見せるのだろうか?

まず小方さんは、利用者の業種の広がりについて以下のように話す。

「導入対象となる業種については、小売業や飲食業、宿泊業、医療施設、さらには図書館や役所などの公共施設に至るまで、多岐にわたって展開できると考えています」

そして宮島さんは次のように続ける。

「『OPTiM AI Camera』と別のソリューションを組み合わせることで、より広範な感染拡大防止策を講じることが可能になるとも考えています。例えば、『OPTiM AI Camera』は画像を“表示する”だけで録画はできませんが、クラウド録画サービスと併用すれば過去の画像も閲覧できるようになるため、万が一感染者が発生した場合には濃厚接触者を事後追跡することもできるでしょう」

さらに、小方さんは遠くない未来を見据えてこう語ってくれた。

「これまで小規模な企業にとっては、AIソリューションは手が届かない存在だったかもしれません。しかし、今後は『OPTiM AI Camera』のような手軽でコストパフォーマンスの高い魅力的なサービスが次々と登場し、どんな規模の企業でもAIを業務改善などに活用する時代が来るでしょう。そんな“AI時代”の到来に向け、比較的導入しやすい『OPTiM AI Camera』をAIソリューションのトライアルモデルとして活用してもらえたらうれしいですね」

「OPTiM AI Camera」は、コロナ禍という先の見えない時代を照らし、人々を“コロナが怖いから自粛する”というマイナスの方向ではなく、“コロナの脅威をきちんと理解して対策をしながら行動する”というプラスの方向に動かせる存在になるのかもしれない……、そんな希望を感じさせてくれる取材となった。


OPTiM AI Camera
https://www.optim.cloud/services/ai-camera/
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WRITTEN by

AI Start Lab 編集部

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