コラム

日本企業が取り組むAI(人工知能)ソリューション:NEC編 〜NEC the WISEとは〜

AI Start Lab 編集部 2021.6.24
近年、ビジネスや暮らしなど様々な分野で活用が急速に進んでいるAI(人工知能)。データ量の爆発的増加と、その効率的な分析を可能にする機械学習の発達によって、第三次AIブームと呼ばれる隆盛の時を迎えている。

この分野で世界をリードしているのはアメリカと中国だが、日本企業もAIの開発、サービス提供に力を入れている。なかでも国産AIの開発をけん引してきたのが、1960年代からAIの研究開発に取り組んできたNEC(日本電気株式会社)だ。米国国立標準技術研究所による性能評価テストで世界No.1になった生体認証技術はじめ、世界トップクラスの技術を数多く有している。

世界トップレベルのAI技術群「NEC the WISE」



NECでは、長年培ってきた世界トップレベルの高精度なAI技術群を「NEC the WISE」というブランドで体系化し、様々な社会・ビジネスのニーズに応えるために開発、提供している。「データの良質化技術」「識別・認証技術」「意味・意図の理解技術」「解釈付き分析技術」「計画・最適化技術」といった様々な技術を活用して、広範なデータを「見える化」。その大量のデータをAIによって「分析」し、人が理解しやすく「対処」するプロセスを構築することで、製造業小売業、物流業や官公庁など幅広い業界・業務で採用されている。

とくに国際的に評価されているのが生体認証(バイトメトリックス)の技術。生体認証は個人を認証する方式の一つで、顔、指紋、虹彩(目の角膜と水晶体の間にあるドーナツ状の薄い膜)など、その人だけしか持ちえない身体的・行動的特徴を利用して個人を識別する技術だ。NECでは、グループ全体で展開している生体認証の製品、サービスを「Bio-IDiom(バイオイディオム)」というブランドで提供している。


このBio-Idiomは、犯罪捜査や出入国管理、国民IDなどとしてすでに世界各国で活用されており、これまでに約70の国と地域に1000システム以上を導入。成田空港でも活用されており、チェックインなどの手続き時に顔写真を登録すると、その後の手荷物預け入れや保安検査などを“顔パス”で通過できるようになり、出国手続きにかかる時間を短縮できるようになった。

道路の路面検査に導入されているディープラーニング


さらに、NEC the WISEの様々な分析技術の中でも多くの導入実績があるのが、「RAPID機械学習」「異種混合学習」「dotDate」の3つだ。

RAPID機械学習は、画像、テキスト、数値データなどデータ分析のための高速かつ軽量なディープラーニング(機械学習)の技術である。従来のディープラーニングでは、データ分析に専門家が非常に多くの時間を要していましたが、RAPID機械学習では特徴を自動で抽出、分析できるため、分析作業期間を大幅に短縮しながら高精度な分類やマッチングが可能になった。人間だとバラツキが生じる品質検査などに用いられ、AIによる自動判定によってより客観的なデータ分析が可能になる。


RAPID機械学習は道路の路面検査業務に導入されており、AIがドライブレコーダーの映像データから路面、滑走路などのひび割れを検出し、路面状況の劣化レベルの判定。さらにGPS信号と連動することで、その状態を地図上に可視化するなど、道路の維持管理や予防保全に役立っている。

そのほか、製造業における生産ラインの不良品検知や証券取引における不公正取引監視などでもRAPID機械学習は多くの企業に採用されている。

小売店の欠品や廃棄ロスを減らす需要予測AI


2つめの異種混合学習は、多種多様なデータの中から精度の高い規則性を自動で発見し、その規則に基づいて状況に応じた最適な予測が可能なAIだ。これまでスーパーや量販店などの小売店では、発注業務は熟年者の経験値に頼ってきたため、どうしても予測にブレがあり欠品や廃棄ロスが発生していた。しかし、AIを活用した需要予測と、それに基づく自動発注システムを導入することで、店舗ごとの客数・日配品販売数の適正な発注が可能になり、業務の効率化・標準化およびロスや欠品の削減が実現できる。


スーパーマーケットのライフでは、この需要予測システムを全店で導入。店舗の販売実績や販売計画、気象情報などのデータをもとにAIが商品需要を予測し、日別の商品発注数を算出する。従業員が手作業で発注していた従来システムよりも予測精度が高まり、所要時間を5割以上も減らせるという。

現在、広く利用され始めているディープラーニングは、大量のデータから自動で特徴を見つけ出す特性を活かし、画像を使った製品検査業務などの効率化で成果をあげている。しかし、その結果に至った根拠を明らかにすることが難しく、ブラックボックス化されてしまうため、一部の業務で課題になっている。それに対し異種混合学習は予測結果の根拠まで説明可能なホワイトボックス型AIなので、従来人手では困難であった複雑な要因分析についても高精度で解釈性の高い予測結果を導き出せるという特徴があるのだ。

NEC the WISEのもう一つの強みであるdotDateは、AIを活用して予測分析プロセス全体を自動化するソフトウェアだ。これまで数カ月かかっていたデータの準備、運用までのデータサイエンスのプロセスを自動化し、わずか数日でデータ分析の結果にたどりつくことができ、チケットの販売予測やWeb上の会員行動分析に用いられている。

2021年に入ってからも、AIによる内視鏡画像解析でバレット食道の腫瘍を検知する技術や、地方自治体向けにマイナポータルと連携したAIチャットボットを無償提供するなど、NECは最先端のAI技術を活用したソリューションを次々に発表。「NEC the WISE」によって、新たな社会価値を創造するデジタル・トランスフォーメーション(DX)を加速させている。


NEC、AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」を策定

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