コラム

世界が注目するAI企業・ABEJAが描く「DXへの道筋」【NVIDIA AI DAYSレポート】

山田 雄一朗 2021.7.7
近年、数多くの企業で進められる「DX」。特にコロナ禍の影響でその必要性が高まり、急速に変革を進める企業もあるだろう。

しかし、そもそもDXとは何だろうか?この問いについては、さまざまな考えがある。

2021年6月16日の「NVIDIA AI DAYS」では、"100 AI startups 2019"にも選出され、世界から注目を集める株式会社ABEJAの代表取締役CEO・岡田 陽介氏が「ABEJAのDX『UI+HI+AIによる日本の勝ち筋』」と題して講演を行い、DXに至るまでの道筋を示した。

今回は、その内容を振り返ってみよう。

DXに欠かせない3つの要素


まずは冒頭、岡田氏からABEJAについて、紹介があった。

「ゆたかな世界を、実装する」をミッションを掲げ、AI企業として活動を続けるABEJA。岡田氏によると「このミッションにある"実装"が大きなポイント」だという。確かに、どれほどテクノロジーが進化しても、それが社会で活用されなければ意味がない。ABEJAは、そのことをミッションで表明しているのだ。


ABEJAの創業は2012年。創業当初からディープラーニングの研究開発に注力して、日本のみならず世界から注目を集めるまでになった。2017年にはNVIDIA、2018年にはGoogleから資金調達を受け、話題を呼んだ。さらに、今年に入ってからはSOMPOホールディングスとの資本業務提携を発表。まさに、日本を代表するスタートアップとして順調にステップアップを果たしている。


ABEJAがここまで躍進している背景には何があるのか?岡田氏は、その1つとしてある概念を紹介する。それが、「Technopreneurship(テクノプレナーシップ)」だ。これはテクノロジーを習熟するだけではなく、リベラルアーツの考え方も交えながら、自らの行為を問い続け、テクノロジーを社会に役立てるために何をすべきか考え続けることだ。

さらに、岡田氏はテクノプレナーシップの考え方を、日本資本主義の父・渋沢栄一の考え方を交えながらこのように紹介する。


すなわち「テクノロジーを『デジタル』、リベラルアーツを『論語』とするならこの両者をつなぐ『算盤』が必要だ」と語る。そして、これはDXを実現する上で大きなポイントとなる。

そもそも、DXとは何か?


続いて、岡田氏は企業を取り巻くDX推進の時間軸の変化について触れた。

当初は、2026年ごろまで5年ほどの移行期間をかけてDXを推進しようと考えている企業が多かったという。しかし「COVID-19の感染拡大の影響で、移行期間が一気に短縮している」と指摘する。

そもそも、DXとは何か。これについて、岡田氏はまず一般的な定義を以下のように紹介している。



そして、DXの論点になりやすいのが「DXは目的か?手段か?」という問題だ。これについて、岡田氏は「両方だ」と主張する。ここからは、この観点なども踏まえながら、企業が進むべきDXのプロセスについて紹介する。

まず大前提として、岡田氏は「一足飛びにDXは実現できない」と述べる。DXの前には、「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」がある。これを踏まえて、DXに至るまでのステップを紹介する。


従来、企業活動はオンラインではなくフィジカル中心で行われてきた。具体的に言えば、オフィスや工場が主たる活動を行う場であった。


しかし、この活動の一部が徐々にサイバー空間に移り、オンラインでも行われるようになり、徐々にそちらへ人が割かれるようになる。たとえば、物流にしても倉庫における業務がロボットなどで自動化すると、省人化できる。そして、物流システムに関わる人員などが増員されることになるだろう。


DXの鍵を握る「データ」の存在


そして、これらの過程を通じて起こる、ある変化について岡田氏が言及する。これまでアナログな紙の書類などに記されていた情報がデジタル化されることで「企業内にデータが蓄積されるようになる」のだ。

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WRITTEN by

山田 雄一朗

大学院で経営工学の修士号を取得した後、IT企業の営業としてキャリアを歩む。その後、経済メディア「NewsPicks」にて記事の執筆から動画配信など幅広い業務に従事して独立。ビジネスや最先端テクノロジーなどを踏まえた「XTech(クロステック)」の記事制作に強みを持つ。

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