コラム
<特集>AIカメラでできることは?これでわかる基礎知識

人物検知のノウハウをいかした画像解析による車両検知サービスの可能性〜OPTiM AI Camera Enterpriseの次の一手

AI Start Lab 編集部 2022.4.21
株式会社オプティムがさまざまな業種に向けた機能をパッケージングして提供している、高性能リアルタイムAI画像解析サービス「OPTiM AI Camera Enterprise」(AICE)に、車両検知の機能が追加された。

監視カメラなどのネットワーク対応カメラで撮影した映像を、AIによって画像解析し、人物のカウントや侵入検知、滞在時間カウントなどの機能を提供しているAICEだが、駐車場などでの車両を対象としたAI画像解析が可能になった。

今回は、オプティムでこのAIカメラ事業に携わっている立澤氏と高橋氏に、車両検知機能の概要や、このサービスによって生まれる新たな生活、そしてAIカメラを用いた事業全体の展望などをうかがった。

ヒトをクルマに置き換えた新機能の「車両検知AI」


これまでもコインパーキングなど大小の駐車場でカメラによる場内の監視や、AI画像解析による入庫した車のナンバー読み取りを目的としたサービスは存在した。


それに対して「OPTiM AI Camera Enterprise」の車両検知機能は、解析対象を「人物」から「車両」に拡張したもので、さまざまな形の解析サービスが利用できる。

主な機能としては、

  1. 車両カウント・台数予測
    ・駐車場の駐車車両カウント
    商業施設の入場車両カウント/台数予測
    ・道路の交通量調査
  2. 車両侵入検知
    ・工場の車両侵入監視
    ・商業施設の営業時間外駐車車両の検知
  3. 駐車場混雑分析・可視化
    ・駐車場の全体・エリア別混雑状況表示

といったものが用意されている。

車両カウント・台数予測のイメージ

「人を車両に置き換えるということで言いますと、車両の混雑状況、動線の分析、入出庫の検出、駐停車時間や滞在時間の検出などが主な目的です。あとはシンプルに車両のカウント機能もあります」と立澤さん。他社サービスとの差異は、車両検知のみを目的としたAIではないという点だ。
 
「たとえば、駐車場の前の道を通っているクルマの数や、その道から何台がお店の駐車場に入ってきたかをカウントできます。もし複数の駐車場をお持ちの方であれば、異なる駐車場の利用率を、曜日や日にちごと・エリアごとに比較するといった使い道を提案しています」

観光地などにクルマで行ったことがある人なら、目的地に最も近い駐車場ほど値段が高く、すぐに利用者で埋まってしまうという経験をした人もいるだろう。それを見越してある程度遠くても安い駐車場にスムーズに誘導するなどできれば、利用率の向上にもつなげられる。

また、大規模ショッピングモールなどでは、複数の誘導員が無線で連絡を取り合いながら車両を誘導することも多く、入場待ちの車の列ができていても、空きスペースがたくさんあるという場合も。このような場面でも、AIカメラによる混雑検知とWebサイトやサイネージなどでの混雑情報表示によって、入場する車を分散させるなどで駐車までの時間を短縮し、機会損失を最小限に抑えられる。

こうなってくると、もともとは駐車場の管理が目的だったものが、一歩踏み込んでマーケティング的な活用法にもつなげられる。

「管理や防犯目的もありますが、マーケティング的な使い方が車両検知でもできると思っています。入店率のように施設近辺の交通量と入庫数の相関を見たりということも可能です」

Industrial DX事業部のサブマネージャー・立澤さん

カメラでの車両カウント機能を活かせば、よく街中で見かける交通量調査も、人の手を借りずに24時間365日いつでもカウント可能だ。さらに、新規出店の際の利用者予測に活用することも考えられる。

「道の駅などを設置する際、区間通過率や立ち寄り率を予想することで、駐車場の適性容量なども明確にわかります。すでに設置済みの駐車場でも、利用率などを分析することで、余分なスペースをイベントスペースとして利用したり、足りない場合は増設の検討材料にもできます」(立澤さん)

こうした車両検知や分析を担うAIには、人の混雑検知で培われてきたAIモデルがうまく活用できた。ただ、当初想定していた用途は駐車場やショッピングモールなどだったが、それ以外の業種からも問い合わせが集まっているという。

「意外だったのは工場ですね。たとえば工場内の輸送車両の逆走を検知したり、駐停車不可の場所で滞留している車両を通知したりといった要望がありました。商業施設の駐車場については、エリアごとに車両をカウントして、サイネージなどで混雑状況を可視化することで、誘導員を置かない駐車場管理を実現したいという要望でてきています」

車両のプライバシー問題もこれまでの知見からクリアに


車両検知AIの活用アイデアは出てきているが、人の場合と同様に気になってくるのがプライバシーだ。

人物の検知の場合は、撮影した画像は解析後に瞬時に消去し、混雑状況や人数といった統計データのみを活用する機能を実装している。自動車の場合も同様に、ナンバープレートや車両の色、車種などがプライバシーに関わる可能性も出てくるが、そのあたりの配慮についても当然準備済みだ。

「車両を検出したときにユニークIDが振られて、AI上ではそのIDで識別するという仕組みなので、1台1台個別に認識はされています。ただし、人物検知と同様に、解析のために取得した動画は保持せずにすぐ破棄しています。これはOPTiM AI Camera Enterpriseそのものの仕様です。あるユニークIDの車が動いたとか、いつ検知したかといった情報しか持ち合わせていないので、個人情報に紐づくようなプライバシーに関わる使われ方はしていません」(立澤さん)

ただし、人物検知のケースとは異なり、車の場合はおそらくナンバープレートによる識別の要望は出てくるだろうと、高橋さんも予想はしている。

「その理由としては、駐車場にしても不正駐車の検知などにしても、防犯用途が強いと考えられるためです。現時点では車種や特別車両などの区別もしていませんが、必要性は出てくると思います」

Industrial DX事業部の企画担当・高橋さん

また、駐停車禁止の場所であっても、ゴミ収集車や宅配業者、医療関係車両や福祉車両といった例外がある場合もあり、それらを区別する必要があるという可能性もある。車両検知AIにも、車両をカテゴライズする方法も模索していくという。

AIカメラの車両検知で変わる自動車関連ビジネス


「OPTiM AI Camera Enterprise」の機能は、認識、分析、結果表示、予測というもの。今後、これらのデータの蓄積が進むことで、立澤さんによれば、これまで実現しにくかったビジネスへの活用も検討できるという。

「大規模商業施設やマンションなどを建設する際に、ディベロッパーは建設前の段階で周囲の交通調査などを行っていたりします。いわゆる商圏分析といったものですが、こういった調査が数千万円単位の予算をかけて行われているそうです。

こうした調査の部分をAIカメラで置き換えると、短期間ではなく長期的に、それも圧倒的に安価にデータを蓄積し続けられるようになります。これまではそういった膨大なデータを活用しきれなかったかもしれませんが、近い将来、有効活用できるようになってくるのかなと思います」


もうひとつは、プライバシーに関わらない範囲でのパーソナライズサービスでの活用だ。

「ウェブではユーザーの属性や閲覧履歴などをもとに、ユーザーが興味がありそうな広告などを提案しています。AIカメラによる車両検知でも、車種の判別などを行えるようになればユーザーのニーズに近いアナウンスや広告などをサイネージに表示させることはできるかもしれません」

少し想像してみただけでも、ガソリンスタンドで車種や年式などを判断してメンテナンスを提案したり、家族で利用されていそうなミニバンが来た際に、近隣の飲食店のコーヒーやスイーツを割引価格で提案するといったサイネージの活用も考えられそうだ。さらには、ガソリンの価格自体を、利用状況や需要に応じて変えることもできるかもしれない。

「いまは人にフォーカスが当たっていますが、車両のデータでも共通して利用できる点があることがわかってきました。属性に合わせて最適な表示を行ったり、それによりリアルタイムによりユーザーにマッチする情報を選び出せるようになっていくと思います」

AIが運営会社のサービス差別化のきっかけに


そんなオプティムの車両検知AIだが、似たようなサービスが多数リリースされており、そんな中でクライアントがどんなポイントに注目してAIサービスを選ぶかと考えると、今後は「いかに自社サービスが他社と異なる特徴的なサービスになるか、という視点から本当に活用できるAI」が選ばれるのではないかと、高橋さんは予想している。

「自治体や大型レジャー施設では、主に入札で駐車場の管理者などを採用しています。でも、こうした駐車場管理などの業務は、差別化が難しいんですよね。

そんな中で、我々のOPTiM AI Camera Enterpriseを活用していただければ、効率的な運営に加えて、マーケティングなどにも活用でき、他の管理者との差別化もできるのではないかと考えています。

カメラなどの設備はほぼ同様に備えていて、結局大事なのはAIなどの認識・分析の精度やサービスなのだと思います。そして、AIを使った施設管理・施設運営の効率化という視点も求められてくると思います」


AIを活用したサービスは、その概要説明を見ただけではなかなか魅力に気づきにくい。今回のように、AIを開発・運用しているメーカーに話を聞くことで、メニューとして提示されている機能の奥にあるAIの独自性や、機能ではなく運用上の工夫などによって、明確に他社とは異なるサービスを提供できる可能性がある。

AIカメラを活用したサービスを検討している方にとっては、こういった相談ができる相手がいることが最も大きなメリットだ。

オプティムのような自社でAIを開発している企業がこれから独自性をどう打ち出していくかということと同時に、導入を検討している企業側もどう有用なAIを見出すかが、より強く求められていくだろう。


「OPTiM AI Camera Enterprise」について詳細はこちら
https://www.optim.cloud/services/ai-camera-enterprise/

OPTiMプレスリリース
https://www.optim.co.jp/newsdetail/20211022-pressrelease-01


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