AI入門

エッジAIとはどんなことができる?クラウドAIとの違いとは?

AI Start Lab 編集部 2020.10.14
エッジAIとは、近年注目されている技術の1つである。

全てのデータをクラウドで処理するのではなく、ネットワークのエッジ(末端)で情報処理を行うものだ。利点としては、爆発的に発生している大量のデータを高度に低消費電力で処理できることである。

こちらの記事では、エッジAIについて解説していく。

エッジAIとは何か?


エッジAIとは、AIとエッジコンピューティングを合わせて作られた造語である。

手元にあるスマートフォンなどの端末に搭載されたAIが情報を解析したり、学習することでクラウド型より高速に処理を行うことができる。

エッジAIには2つのタイプがあり、目的によって使い分けられる。

1つ目のタイプは、エッジAIが判断だけを行って、データやモデルの更新はクラウド上で行うもの。もう1つのタイプは完全独立型で、エッジAI上で判断と学習を行って、クラウドとの接続を必要としないものだ。

ディープラーニングなどで機械学習を行う際、一般的にはエッジAI側で推論を行ってクラウドに接続して学習を行う形が多い。

エッジAIを搭載することによりどのようなメリットがあるだろうか。

エッジAIは端末に搭載されるAIなので、インターネットがつながらない環境や、リアルタイムでの処理に強みを発揮する。

具体的なメリットとしては、

  • エッジAIによるリアルタイムな判断
  • エッジAIが送信する情報を選別するのでクラウドとの通信コストを節約できる
  • インターネットに繋がらなくても処理ができるのでセキュリティの強化

などが挙げられる。

エッジAIを搭載するデバイスとして、候補に挙げられるのがスマートフォン、カメラ、スマートミラー、プロセッサーへの搭載などが挙げられる。

スマートミラーとは、鏡についたセンサーやカメラで撮影された画像を解析し、メイクやスキンケアを提案するアイテムだ。

今後エッジAIは今後自動運転や自律型ドローン、物の認証や検品などの分野で期待されている。

従来のクラウド型AIとエッジAIの違いとは



クラウド型AIとエッジ型AIの違いについて説明する。

クラウド型は手元にある端末でインターネットを通じてクラウドにアクセスすることで機能を利用できる。対してエッジ型は手元にある端末や、近くにある無線の基地局を使用して機能を利用できる。

エッジAIはクラウド型サービスが普及することによって発生した問題を解決できるのではと注目されている。

インターネットの通信が安定しない場合、クラウド型サービスは使えなくなってしまうことがあるが、エッジAIは端末側で情報を処理できるので場所や通信環境に依存することがなくなる。

また、セキュリティの面でクラウドにアップしたくないデータも企業を中心に存在する。

インターネットを経由するクラウド型サービスは、どうしても通信の際に情報漏えいのリスクがつきまとってしまう。

エッジAIなら端末だけで情報処理を完結できるので、リスクを減らすことができる。

エッジAIの状況


エッジAIを利用した産業として近いうちに実現しそうなものが車の自動運転だ。

車が走行する時に外部からもたらされる情報を処理するためエッジAIは利用される。カメラやセンサーが取得したデータをリアルタイムで高速に処理し、車両を制御しているのだ。

より高速に情報をエッジAIで処理するために、各企業が力を入れているのが人材の育成やソフトの開発などのソフト面だ。さらに、より高速な処理速度を実現するAIチップやメモリの開発などハード面に力を入れる企業も増加している。

現在はクラウド型AIでサービスを行っているGoogleやAmazonなどの企業もエッジAIに注目し、徐々にエッジAIでの処理を行えるように開発を進めている。

従来のクラウド型AIとエッジ型AIを組み合わせて良いところを活かすことで、これまでよりさらに高速で革新的なサービスが生まれることだろう。

AIエッジコンテストとは?



エッジAIの普及や技術の習得を目的として開催されているのが「AIエッジコンテスト」である。

AI人材育成のため、このコンテストは継続的に開催される予定だ。コンテストの参加資格は特にない。やる気があれば、個人でも団体でもいずれも参加可能だ。

すでにコンテストは2回開催されている。

第1回のコンテストは2018年11月19日から2019年1月27日までの約2カ月。第2回のコンテストは2019年11月18日から2020年3月31日の約4カ月行われた。

コンテストで上位になれば、公益社団法人自動車技術会が開催する「自動運転AIチャレンジ」に参加する資格が与えられる。

コンテストの内容はエッジAIを利用して、物体の検出や認識を行うものだ。

1秒間でより処理枚数が多いほど評価される。参加者が利用するボードも決められており、純粋に処理能力の高さで競われるのがこのコンテストの特徴である。

AIエッジコンテストは、官民が一体となって運営しているのが特徴だ。

第2回コンテストの主催は経済産業省、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)。

共催として株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル、株式会社SIGNATEが参加している。それぞれの強みを活かし、課題の設定や審査を行っている。

世界的に期待されるエッジAI技術


IoT時代の訪れにより、注目されているのがエッジAIの技術。手元での早い反応を求められるIoT機器、求められる処理を行うために期待されているのがエッジAIの技術だ。

現在官民共同でAI人材を発掘し、育成するための動きが起こっている。

エッジAIを使用する自動運転技術など、今後実用化されれば、世界的に展開していく分野においてエッジAIは期待されている。

もしエッジAIを学び始めていれば、技術を高めるとともに業界の動向を注視したほうがよいだろう。

画像出典元:Shutterstock
印刷ページを表示
WRITTEN by

AI Start Lab 編集部

AI・人工知能のビジネス活用についての情報をさまざまな視点からお伝えしていきます。

AIのビジネス活用に関する
最新情報をお届け

会員登録

会員登録していただくと、最新記事やAI関連のイベント情報を受け取れたり、その他会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。