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富士通研究所、外観異常を高精度に検出する画像検査AI技術を開発

AI Start Lab 編集部 2021.4.14
株式会社富士通研究所、製品の外観異常を高精度に検出する画像検査AI技術を開発したと発表した。

異常を検出するモデルの性能を測定する指標であるAUROC(*1)において、世界最高レベルの98%を達成したという。

検査工程の現場では、検査員が大まかな形状や細部の構造、質感などの特徴をもとに、良品か不良品かを判断する。

さらに、正常な外観であっても、毛並みや色見、配線の形状など個体ごとに様々なバリエーションがある場合には、個体ごとにこれらの特徴を捉えた上で、品質に問題がない範囲の個体差か、または異常かを区別しながら検査を行う。

そのため、AIの学習においては、正常画像の中でも個体ごとに生じる多種多様な特徴を捉えられるようにする必要があるが、それぞれの特徴を重み付けして合算した指標を使った一般的な学習方法では、一つの特徴に偏った学習が進み、すべての特徴を十分に捉えることが困難だった。


また、こうした検査においては、検査対象の画像に異常がある場合は、AIが異常を取り除いた正常画像を復元し、検査対象の画像と復元した正常画像との差をとらえることで異常個所を検出するが、今回の技術では、学習用に用意した正常画像に、形、大きさ、色などの多種多様な異常を人工的に付加した画像を生成しながら、異常を取り除いた正常画像を復元できるように、AIモデルを学習させる方法を開発。

正常画像を復元する性能が高まり、異常を含んだ画像を教師データとして準備しなくても、異常個所を高精度に検出可能になったという。

なお学習の際には、正常画像とAIが復元した画像とを比較して、大まかな形状や細部の構造、質感など各特徴の学習度を評価し、AIが捉えられていない特徴を優先して学習するように、付加する異常の大きさ、色、個数を制御している。

さらに、5000種類以上の人工物を撮影した画像のライブラリから、様々な素材(形、大きさ、色などから)を生成し、異常個数や付加する位置を確率的に変えて異常を付加する技術も新たに開発。


富士通研究所は、今回開発した技術を用いて、様々な工業製品の外観画像を集めた公開データを使って異常の検出を行う標準的なベンチマークを実施したところ、AUROCにおいて、世界最高レベルという98%を達成したと発表。また、ねじやナットなど個体ごとのバリエーションがなく、良品が同一の外観を持つ製品においても、従来技術と同等の精度が維持されたとしている。

なお、電子関連機器の製造工場である富士通インターコネクトテクノロジーズ株式会社 長野工場の検査工程において検証したところ、プリント基板の検査工数を25%削減の効果が確認できた。

富士通研究所は今後、異常の検出や種類や検出箇所に応じて分類するこの技術を、富士通のAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」を支える技術としてさらに開発をすすめるとともに、製造業DXを支援するものづくり事業ブランド「COLMINA(コルミナ)」への製品適用を目指している。

*1:Area Under the ROC Curveの略。異常を検出するモデルの性能の良さを表す指標。百分率で最大100%までの値を取り、指標が大きいほど、モデルが良い性能であることを表す。


*記事トップ画像はイメージです(asharkyu / Shutterstock.com)

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