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キリン、ビールの新商品開発業務の効率化・高度化を実現。「醸造匠AI」に「レシピ探索機能」を追加。システムの試験運用を開始

AI Start Lab 編集部 2021.9.7
キリンホールディングス株式会社(以下、キリン)と株式会社三菱総合研究所(以下、MRI)は、共同開発中のビール新商品開発支援システム「醸造匠AI」に新たな機能「レシピ探索機能」を追加し、6月からキリンで試験運用を開始した。

「醸造匠AI」の概要と課題


ビールの新商品開発は、技術者が知見や経験をもとに原材料の配合や工程条件を調整しながら試作を繰り返し、中味のレシピを決定する。キリンでは開発したレシピや技術的な知見がデータベース化されているが、データの活用に関しては技術者により個人差があった。

そこでキリンの飲料未来研究所とMRIは、2017年に「試作結果予測機能」を持った「醸造匠AI」を共同開発した。「試作結果予測機能」は、過去の試験醸造データから学習した機械学習モデルに加え、技術者の知見を取り入れた機能で、原材料の配合や工程条件を設定することで、どのような試作ができるかをAIが予測し提示するもの。

本機能を活用することで、技術者がレシピ条件から試作結果を事前予測することが可能となり、商品開発業務が効率化された。

一方で、目標とする味を実現するレシピの着想には技術者の経験値や発想力が求められるため、依然として技術者による個人差があった。キリンとMRIは、この問題を解決するために、目標とする味から原材料や工程条件を逆引きする「レシピ探索機能」の開発に取り組んできた。

「レシピ探索機能」の概要


今回「醸造匠AI」に追加した「レシピ探索機能」は、目標とする味の指標値を入力することでAIがレシピ候補を提示。本機能により、経験の浅い技術者も熟練技術者と同様に、目標とする味を実現するレシピ候補を抜け漏れなく洗い出すことが期待できる。

また、さまざまな特長を持つレシピ案を複数提示するため、熟練技術者であっても着想の難しい、新規性の高い発想のレシピの発見が見込めるという。


キリンには初代「キリンビール」に代表されるラガービールからクラフトビールに至るまで豊富なレシピ開発実績がある。またMRIには熟練技術者との対話を通じてノウハウを引き出し、高精度のAIを開発する「匠AI」という枠組みが存在する。

キリンの長年のものづくりで得た多彩な知見と、MRIの高精度のモデル構築を実現するAI開発力が「レシピ探索機能」の開発に生きている。

ビールのおいしさは、指標値だけでは表すことのできない味や香味バランスで成り立つため、最終的には技術者によるレシピ開発が欠かせないが、AIと人の五感をかけあわせることで、これまでにないビールをより効率的につくることが期待できる。

成果・今後の見通し


「醸造匠AI」で「試作結果予測機能」と「レシピ探索機能」という一対の機能が完成したことにより、業務の飛躍的な効率化が進み、技術者は創出された時間で人にしかできない価値創造を行うことで、「働きがい改革」のさらなる推進が期待できる。

また、熟練技術者のビール醸造のノウハウが取り込まれた「醸造匠AI」を通じて、熟練技術の伝承促進も見込めるという。


PR TIMES
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