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トヨタ九州とスカイディスク、AIでの異音検知をレクサスの品質検査ラインに導入。車両品質検査では国内初

AI Start Lab 編集部 2021.12.8
株式会社スカイディスクとトヨタ自動車九州株式会社は、レクサスを生産するトヨタ九州宮田工場の検査ラインにAIを活用した異音検査システムを2021年8月から導入し、本稼働が開始した。

異音検査のAI活用は、設備保全分野で多数の事例があるが、品質検査分野での実装は国内初(※1)となる。今後は、今回の実績を基に宮田工場内の別の検査ラインへの導入を検討していくという。


スカイディスクが開発した音に特化したAI分析ソリューションは、検査走行中の車内の音データを人の聴覚特性に基づいて分類し、抽出された約1万個以上の特徴量から異音を判定するAIモデルを作成。

今回、スカイディスクとトヨタ九州が、AI分析ソリューションをレクサス製造ラインに合わせてカスタマイズし、AI異音検査システムを共同開発した。

※1:2021年10月までに公開された実証実験PoC)を除く、AI実装の事例を対象にしている。スカイディスク調べ。

開発の背景


トヨタ九州宮田工場は、世界随一のレクサス製造拠点として各工程に熟練工を配し、世界トップレベルの品質を守り続けている(※2)。

出荷前の検査項目である異音検査は、検査員の聴覚で「音」を聞き分ける官能検査であるため、個人の聴力に影響を受けやすい工程となっていた。将来予想される検査員の高齢化による聴力の衰えや個人差に対応するため、2018年1月からAI化の検討を開始した。

※2:宮田工場は、米国市場調査会社J.D.パワーによる品質調査(自動車初期品質調査IQSブランドアワード)にて最高位プラチナ賞を過去5回(世界最多タイ)獲得。世界屈指の自動車生産現場として知られている。

システム概要と導入ステップ


AI分析ソリューションでは対象の音に合わせたマイク選定が重要だ。今回は新たに車内異音用に集音マイクを選定し、異音検査における音データをデータベース化した。データに基づいた安定した検査品質の実現のため、熟練検査員の経験や判断をAIに学習させて、検査精度を高めた。

2018年4月から実際の工程でAI異音検査システムの検証を開始し、実運用に向けて繰り返し精度向上に取り組むとともに、システム構築を含めた最終調整を実施。検査精度が安定的に確保できたことから、2021年8月に本稼働を開始した。


効果


AI異音検査システムの開発・導入により、検査員の聴覚に依存していた検査工程の属人化解消・品質安定化を実現。また、検査作業者の耳の負担や凹凸のある検査路面を運転する際の身体的負担も低減することができた。

高い検査品質が求められる最終検査工程かつ、特に人の身体能力に依存し標準化が困難だった異音検査で導入できた実績を基に、 今後は他の検査工程への展開も検討していくという。


プレスリリース
https://skydisc.jp/information/3319/

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WRITTEN by

AI Start Lab 編集部

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