ニュース

“ハーッ!” っと息を吐いて生体ガスで個人認証!? 東大ら研究グループが実証

AI Start Lab 編集部 2022.6.28
東京大学、九州大学、東海国立大学機構、名古屋大学とパナソニック インダストリーは、人間の呼気で個人認証を行なう原理実証に成功したことを発表した。

20人を対象に行った実験では、97%以上の精度で個人の識別が実現。生体認証における情報の偽造防止などへの活用が期待できる。

人工嗅覚センサーから得たデータでAI機械学習を適用


これまでも生体認証技術としては、指紋や掌紋、顔といったさまざまな特徴を利用したものが開発されてきた。しかし、それらの技術では、外傷などの身体的特徴の変化による認証精度の低下や、情報が偽造・窃取された際に長期的になりすましされてしまうというリスクを抱えていた。


生体ガスを利用した生体認証技術では、生体ガスを構成する分子群の科学情報(各分子の種類やその多寡)に基づいて個人認証を行なう新しいアプローチとなっている。

国籍・性別・年齢の異なる6名の呼気センシングにより得られたセンサ応答マップ(左図)と個人識別の特徴量マップ(右図)

呼気センシング実験の写真(左図)と使用した人工嗅覚センサ(右図)

生体ガスは内因性の成分を含む分子群で構成されるため、外傷による変化が起こりにくく、一度使うと消費されるため、窃取による長期的ななりすましも困難になるという特徴を持っている。

これまでは主に「皮膚ガス」を利用した研究が行なわれていたが、利用可能な分子の種類が限定的で、利用には限界があった。

本研究では、呼気センシングによる個人認証は、人工嗅覚センサーから得られたデータに対してニューラルネットワークモデルに基づく機械学習を適用して実施。平均97.8%の精度で個人を識別することが可能で、同一人物を対象に別の日に採取した場合や、対象人数を20名に増やしても同様の結果が得られたという。

今後、実用化に向けてより多くの人員を費やしての実証実験や、接触が及ぼす精度への影響など課題克服に取り組んでいく。

画像:東京大学工学部プレスリリース


東京大学工学部
http://www.t.u-tokyo.ac.jp/foe

印刷ページを表示
WRITTEN by

AI Start Lab 編集部

AI・人工知能のビジネス活用についての情報をさまざまな視点からお伝えしていきます。

AIのビジネス活用に関する
最新情報をお届け

会員登録

会員登録していただくと、最新記事やAI関連のイベント情報を受け取れたり、その他会員限定コンテンツの閲覧が可能です。是非ご登録ください。