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高輪ゲートウェイ駅に無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」がオープン!

小野 雅彦 2020.11.2
JR東日本の山手線と京浜東北線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」が2020年3月14日に開業した。

1971年に山手線「西日暮里」駅が誕生して以来、実に49年ぶりとなる新駅誕生に、開業初日には大勢の人々が駆けつけ、一時は入場規制がかけられるほどの盛況となった。

新国立競技場も手掛けた建築家・隈研吾氏による「和」のテイストを盛り込んだ駅舎デザインが目を引く一方、この新駅には最新のハイテク機能が随所に散りばめられ、未来型ステーションの名にふさわしい佇まいを見せている。

そのなかでも目玉のひとつが無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」だ。

最新技術を導入した“近未来型”ステーション


JR東日本初のQRコード改札や4カ国語に対応する会話型デジタルサイネージなど、新駅「高輪ゲートウェイ駅」はさながら最新ハイテク技術の見本市のようだ。

約13ヘクタールという広大な車両基地の跡地で進められている「品川開発プロジェクト」の中核をなす施設だけに、詰め込まれた設備の機能はいずれも未来のデジタル社会を感じさせるものであふれている。

「はいる、とる、でる」を可能にした無人コンビニ



なかでも大きく目を引くのは、駅構内に設置された「無人コンビニ」だろう。

この店舗は、店内に設置されたAI搭載のカメラが客の動きと商品を把握し、購入額を自動的に算出。出口付近にある決済ゾーンに掲げられた壁掛けディスプレイに商品名と合計金額が表示され、間違いがないか確認した上で支払いを済ませればゲートが開き、外に出ることができるというもの。


ディスプレイに表示された商品に間違いがあれば、このゲートでキャンセルすることができる。2018年1月にシアトルでオープンした無人コンビニ「Amazon Go」の日本版といったところだろう。

入店した人の動きを捕捉するために設置されたAI搭載のセンサーカメラは合計50台。実証実験店舗では100台で運用していたことから、コストもかなり抑えられたことになる。

開発したのは株式会社TOUCH TO GO。JR東日本スタートアップ株式会社とサインポスト株式会社が共同で設立した合弁会社で、2017年に大宮駅、2018年には赤羽駅で無人AI決済店舗の実証実験を実施している。

高輪ゲートウェイ駅でオープンした無人決済店舗は、同社の名前を冠した常設店舗第1号店ということになる。

なお、赤羽駅での実証実験では、入店する際に交通系ICを端末にかざさなければならなかったが、同店ではそういったアクションすら不要になった。

入店者は特に商品のバーコードを読み込ませたり、専用の買い物バッグを利用したりといった手間をかける必要はない。

手持ちの自分のバッグやポケットの中に商品を入れてしまっても、商品の識別と決済が可能というところが、コンビニなどに設置されている「セルフレジ」などとは大きく異なる利点だ。

取り扱う商品は、弁当、惣菜、菓子、飲料など約600種類。ホームに備わるキオスクやコンビニなどとほぼ変わらない品揃えだ。

無人化ではなく省人化にこだわった設計



商品の補充などは人の手で行われている。

赤羽の実証実験店舗では品出し作業などをする際にシステムを一度ストップさせなければならないという難点があった。

ところが、今回の店舗では客とスタッフの区別ができるようになったため、客がいてもスタッフが作業することが可能になっている。

このことからもわかる通り、同社が目指すのはあくまでも省人化であり、無人店舗に固執しているわけではない。

既存設備をほとんど変更することなく導入できるため、開発元のTOUCH TO GO社は、高輪ゲートウェイ駅構内のこの店舗を皮切りに、小売店や飲食店などにこの仕組みを提供していく予定だという。

いいことづくめに見えるが、課題もある。

一度に入店できる上限が10人であるのは、そのひとつといえるかもしれない。ラッシュ時に入店すらできない状態となるのは、顧客にとってストレスになりかねない。

ただ、この点も実証実験店舗では上限が3人だったところから飛躍的に精度が高まっている。先述したように、スタッフと顧客との区別ができるようになっていることから、この精度は今後、ますます向上していくことは間違いない。

決済手段が交通系ICのみというところも、課題のひとつであろう。ただし、これも現在のところは、という限定的なもので、今後は、クレジットカードや他の電子マネーにも順次対応していくという。

同駅には、このほかにも清掃・警備を行うサービスロボットや、画像や時刻が映し出されるミラーサイネージなど、最先端の技術が盛り込まれた近未来の設備が目白押しだ。

これらのデジタル体験をするためだけに高輪ゲートウェイ駅を訪れる人も少なくないだろう。今後のますますの進化に、注目が集まる。


株式会社 TOUCH TO GO
http://ttg.co.jp/
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WRITTEN by

小野 雅彦

フリーライター。経営者や著名人へのインタビュー、時事問題、地産地消で地域創生を図ろうという企業や団体などへの取材も多い。日本史の記事も得意としており著書に『家康の家臣団はなぜ最強組織になったのか』(竹書房新書)がある。

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